赤ちゃんがなんだか苦しそう…
顔色あまり良くないみたい…
それはもしかしたら病気のせいかもしれません。
呼吸がうまくできないということは、命に直結する問題ですね。
まずは深刻な病気の可能性も疑ってみる必要があります。
今回のテーマは「赤ちゃんの呼吸が乱れる。新生児呼吸窮迫症候群について知っておこう」です。
新生児呼吸窮迫症候群とは一体どんな病気なのでしょうか?
病気の原因や主な症状、治療方法などについてまとめていきます。
新生児呼吸窮迫症候群ってどんな病気?
肺の発達が不完全な赤ちゃんに見られる呼吸障害
新生児呼吸窮迫症候群とは、肺が未発達なために起こる呼吸障害です。
肺の中には肺胞という小さな袋があり、その中で血液中の二酸化炭素と酸素の交換が行われています。
このとき、肺胞が膨らんだ状態でないと正常に交換ができません。
肺胞が膨らんだり縮んだりするためには、肺サーファクタント(肺界面活性物質)という物質が必要です。
肺の発達が不完全な赤ちゃんは、肺サーファクタントが不足しています。
そのため息を吸っても肺がうまく膨らまず、正常に呼吸ができなくなってしまうのです。
新生児呼吸窮迫症候群の症状は?
生まれてすぐに呼吸に異常が現れる
新生児呼吸窮迫症候群の主な症状としては、以下のものが挙げられます。
- 呼吸が浅く早い(多呼吸)
- 苦しそうにうめきながら呼吸する(呻吟呼吸)
- 鼻の穴を膨らませるようにして息を吸う(鼻翼呼吸)
- 呼吸すると胸のあたりがへこむ(陥没呼吸)
- 顔色が青くなる(チアノーゼ)
多くの場合は生まれてすぐに症状が現われます。
まれに24時間以内に病気が判明しない赤ちゃんもいます。
新生児呼吸窮迫症候群の場合、酸素が足りず苦しくて必死に呼吸しようとするため、まず初めに1~3のような症状が現われます。
4のように胸のあたりがへこんでしまうのは、肺が正常に膨らまないためです。
症状が悪化するとチアノーゼを起こして顔が真っ青になり、呼吸は不規則になったり、止まってしまうようになります。
低酸素の状態が長く続くと、脳出血や失明などの合併症が現われる恐れもあり、最悪の場合は死に至ることもあります。
新生児呼吸窮迫症候群の原因と予防法は?
一番の原因は早産
新生児呼吸窮迫症候群は、早産した赤ちゃんに多くみられる病気です。
赤ちゃんの肺サーファクタントが作られるのは妊娠34週頃からとされていて、これより出産が早いほど発症率は高くなります。
妊娠28週以前に生まれた赤ちゃんは70%もの確率で発症するとされています。
逆に、36週以降に生まれた赤ちゃんにはほとんど見られない疾患です。
早産のほかに、母体の糖尿病、帝王切開、出産時の事故(へその緒が絡まり血流が止まるなど)、多胎妊娠も新生児呼吸窮迫症候群の原因となることがあります。
大切なのは早産を予防すること
新生児呼吸窮迫症候群の一番の予防法は、早産を予防することです。
早産の赤ちゃんは肺がまだ出来上がっていないまま生まれきてしまうため、呼吸障害のリスクが非常に高くなります。
煙草やお酒は早産のリスクを高めるといわれているので、妊娠中は必ずやめるようにして下さい。
強くお腹が張る、お腹が痛むなどの異常を感じたらすぐにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
兆候に早めに気づけば、適切な処置を受けることで早産を予防できる確率も高くなります。
切迫早産などでやむを得ず34週未満で出産する場合には、事前に赤ちゃんの肺の発達を促進するステロイド薬を投与します。
この投薬により発症リスクを低減させることができます。
新生児呼吸窮迫症候群の治療法は?
新生児呼吸窮迫症候群を発症しても、適切な治療を受ければ90%以上の赤ちゃんが助かるといわれています。
治療法は主に以下の3つです。
治療では赤ちゃんの肺の成熟を促しつつ、酸素が十分に供給されるように補助をしていきます。
- 人工サーファクタントの投与
- 酸素の投与
- 人工呼吸器の使用
切迫早産と闘った友人
私の古い友人で、切迫早産になってしまった人がいます。
一時は悪化して入院もしていました。
帰宅許可が出てからも、とにかく極力動かず安静を言いつけられていました。
早産の赤ちゃんは肺が出来上がっていないため、非常に危険な状態になるかもしれないとお医者さんにも告げられたそうです。
呼吸ができないということは、全身に障害が出る原因にもなり得るのだとも。
頑張ったおかげで赤ちゃんは無事に正期産に生まれてきましたが、当時は他人事ながらヒヤヒヤした覚えがあります。
彼女はお酒もほとんど飲まず、煙草も吸わない人です。
あまり体が丈夫ではなく、ちょっと筋力が足りなかったのかな?と本人は言っていましたが、それが本当に関係しているかどうかはわかりません
健康に気を使っていても、早産になる可能性は誰にでもあります。
だから少しでも不安を感じたら、迷わずに産婦人科に行くようにして下さい。
早めに対策さえとれれば、救われる命もたくさんあるのではないかと思います。
まとめ
- 新生児呼吸窮迫症候群とは、肺が未熟なために起こる呼吸障害
- 生まれてすぐに呼吸に異常が出ることが多い
- 新生児呼吸窮迫症候群の一番の原因は早産
- 適切な治療を受ければ助かる赤ちゃんが多い病気でもある
新生児呼吸窮迫症候群は、肺の発達が不完全な早産の赤ちゃんに多く見られる病気です。
主な症状は呼吸の異常で、生まれてすぐに症状が見られることがほとんどです。
新生児呼吸窮迫症候群のもっとも有効な予防法は、とにかく早産を防ぐことです。
もし早産になってしまう場合でも、ステロイド剤を投与して赤ちゃんの肺の成熟を促し、発症リスクを低減させることができます。
出産後に発症したときは、人工肺サーファクタントと酸素の投与、人工呼吸器による補助という治療法がとられます。
早くに適切な治療が受けられれば、90%以上の赤ちゃんが助かるといわれています。
切迫早産・早産は、妊娠中の女性でならば誰にでも起こる可能性があるものです。
早産のリスクを減らすために、喫煙や飲酒などは控え健康に気を使いましょう。
また、お腹の張りなどの異常に気づいたら早めに産婦人科に相談し、早産の予防に努めて下さい。
みみ
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